都立高校でついに入試で男女別の定員設定が廃止に

都立高校の入試では長年、全体の定員とは別に男女別の定員が設けられていましたが、2020年代に入り段階的に緩和する方針が示され、近い将来廃止される予定です。2023年度の時点で、公立高校に男女別の定員枠を設けているのは東京都ただ一つでしたが、廃止されれば実施している都道府県はひとつも無くなります。男女別定員制は元々、第二次世界大戦後の教育改革で、公立高校の男女共学化を達成するために、男子と比べて十分に教育を受けてきているとはいえなかった女子の教育を保障する目的で導入された制度でした。しかし、時が経って男女間の教育格差がなくなると、都立高校入試において女性の合格ラインが男子に比べると高い状況がしばしば見られるようになり、男女別定員制はその状況をつくりだしている原因の一つであるとみなされるようになりました。

1990年代以降、都立高校入試において男女別定員制の撤廃を求める声が多くあがるようになりましたが、女子学生を多く受け入れている私立高校側への配慮などを理由に制度が維持されてきました。その流れに変化が生じたのは2018年で、複数の大学で医学部の入学試験において女性差別を行ってきたことが明らかになると、都立高校入試の男女別定員制にも再び注目があつまるようになりました。東京都知事や文部科学大臣による廃止を示唆する発言や、市民団体からのインターネット署名の提出などがあった結果、都の教育委員会が廃止の方針を打ち出しました。2023年度の都立高校入試では、定員のうちの男女合同の成績順で合否判定を行う枠を前年度までの1割から2割に広げられました。

2023年6月半ばの時点では2024年度の試験の実施方式が判明していませんが、廃止される可能性があるので、情報はこまめにチェックしておきましょう。

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